【NJPW WORLD】藤波辰爾・三沢光晴vs蝶野正洋・獣神サンダーライガー

2021年5月18日記

 

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新日本プロレスワールドで見る、おすすめ名勝負、2005年5月14日新日本プロレス東京ドーム大会「NEXESS」。

 

第八試合にて行われた

 

「ダブルメインイベントTスーパードリームタッグマッチ 藤波辰爾&三沢光晴vs蝶野正洋&獣神サンダーライガー」

 

の一戦です。

 

 

【試合に至るまでの背景】

この試合が行われたのは2005年5月。

 

2005年といえば、いわゆる新日本プロレス暗黒期の真っ最中。

 

2002年に発刊された新日本プロレス元レフェリー・ミスター高橋さんのある本が、プロレスの実情を克明かつ生々しく綴られた書籍。
私も読みましたが驚きと衝撃で、20年近く見ていた一時プロレス界から遠ざかってしまいました(苦笑)。

 

当時は「PRIDE」を代表とした格闘技に押されていたプロレス界。プロレスラー最強説が壊れてあとに、その本が世に。

 

そんな2005年頃の新日本プロレスは観客動員が下がる一方。高橋さんの本の影響は、決して0ではないでしょう。

 

そんな中でも興行会社として成り立たせるには東京ドーム大会というのは、G1クライマックスと同時に欠かせないコンテンツの一つ。

 

 

暗黒期真っ只中
東京ドーム大会成功

 

 

この二つが重なった時に、当時新日本より勢いと観客動員を上回っていた「プロレスリング・ノア」に協力を求めるのは必然だったことでしょう。

 

そんな背景があった、東京ドーム大会。試合を振り返ります。

 

 

【試合の見所】

まずはなんと言っても、藤波辰爾選手と故三沢光晴さんとの奇跡のタッグ結成。
当時も、そして今でも奇跡の夢タッグ。

 

 

この夢タッグ。
藤波選手は三沢さんの向こう側に「ジャンボ鶴田」を見ていたのでは?

 

 

藤波辰爾とジャンボ鶴田。

 

リング上で唯一交わったのは、1979年に行われた東京スポーツ主催の「夢のオールスター選手」日本武道館大会。

 

藤波選手は鶴田さんとミル・マスカラスと3人でタッグ結成。
それ以外は本当に触れることのなかった両者。

 

 

「鶴藤長天」と評された
ジャンボ鶴田
藤波辰爾
長州力
天龍源一郎

 

 

この4人で、唯一シングルマッチが実現しなかったのが藤波選手と鶴田さん。

 

手術中の不慮の事故により1998年年に亡くなられてしまった鶴田さん。

 

夢のシングルマッチは夢のままで我々ファンの中にしまうことになったのです。

 

藤波選手も向かい合いたかったであろう全日本プロレス・ジャンボ鶴田。
その鶴田さんの香り・匂いを元全日本プロレスの三沢さんから感じたかったでは?と思います。

【試合展開】

先発は藤波選手とライガー選手。

 

ライガーは対ヘビー級仕様の上半身?き出しの「バトルライガー」。
直近では引退前の2019年10月両国国技館・鈴木みのる戦が最後でしたね。

 

と、このバトルライガー仕様ですが、上半身のパンプアップぶりが凄まじいと毎回唸らされます。
ヘビー級選手と混ざっても遜色全くなし。
バトルライガー仕様の試合はシチュエーション的にヒリヒリする展開で迎えるわけですが、オーディエンスサイドはワクワクさせられますよね。

 

と、藤波選手とライガー選手のロープワーク。
当時の藤波選手は社長もしながら選手も兼任している、プレーイングマネージャー的な存在。

 

きっと当時が新日本プロレス低迷期にあり、一番大変な時期だったにも関わらず、身体のグッドコンディションぶりとジュニア時代を彷彿させる動き。
素晴らしいの一言。

 

 

藤波選手からタッチを受けてリングインした三沢光晴選手。
ライガー選手も蝶野正洋選手にタッチして交代

 

この時、新日本にリングは2度目の登場。一度目は2002年5月、場所も同じ東京ドーム、蝶野正洋選手とのシングルマッチ。
まさに「夢のシングルマッチ」から3年を経て再登場。

 

これを書いている2021年5月で、あれから16年が経過したわけですが、今見返しても、これまたワクワクさせられますね。
手を取り合ったり、じっくりとしたグラウンドの展開は、コクのある戦い模様。

 

しかし三沢選手のエルボーの威力たるや!「バチン」とリアルな音が東京ドームに響き渡ります!

 

 

そして、蝶野選手のタッチを受けてライガーの登場。

 

この4人のマッチアップでこの時代のファンが一番見たかったのが「三沢vsライガー」。

 

三沢選手のレスラーとしての出自を考えた時に、「2代目タイガーマスクvs獣神サンダーライガー」といった視点でも

 

 

と、リングに入ったライガー選手が猛然と三沢選手に突っ込んでいく!そしていきなりの掌底!!
ライガー選手の言葉を借りるならファーストコンタクトから「スゲーーーー!」と(笑)。

 

もうこれだけで見た甲斐があったなと。それぐらいの衝撃とともに、これが新日本プロレスだよ!とも思ったり。

 

と、続けざまとばかりに、ランニング式のライガーボム!
仰向け状態の三沢選手にライガー選手、張り手の連打!!

 

そこから怒りを抑えながら立ち上がった三沢選手、エルボーを叩き込む!
ライガー選手の張り手にもエルボーで返す鬼の三沢。

 

このシーンがこの試合の最大の見どころだったように思います。

 

 

後半、蝶野選手・ライガー選手をエルボーで場外へ蹴散らす!
そして蝶野選手目がけてエルボー式トぺ・スイシーダ!しびれます!!

 

 

試合終盤は、ドラゴンと三沢選手のフィニッシュシーン。

 

 

三沢選手、蝶野選手にドラゴンスクリューで排除!

 

 

トップロープからライガー選手目がけてダイビング・ボディプレス!

 

 

それを受けたドラゴンはドラゴンスリーパー!

 

 

からのグラウンドコブラツイスト・ホールドで3カウント!

 

 

最後は藤波選手らしいグラウンドコブラツイスト・ホールドで決着。
地味なフィニッシュでしたが、大技乱発なしでも東京ドームのファンに魅せつけたプロレス。

 

素晴らしいダブルメインイベントTでした!

【試合結果】

ダブルメインイベントT スーパードリームタッグマッチ

60分1本勝負

 

○藤波辰爾&三沢光晴
(14分49秒、グラウンドコブラツイスト・ホールド)
蝶野正洋&○獣神サンダーライガー

 

グラウンドコブラツイスト・ホールドで藤波辰爾のピンフォール勝ち


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